認定看護師活動
摂食・嚥下障害看護認定看護師
認定看護師を取得した理由
脳外科病棟に勤務していて、脳卒中の発症後に上手に食べる事が出来ない患者様を見て「どうしてなんだろう?どうしたらもっと良くなるんだろう?」と思っていた時に、この分野があることを知り勉強してみようと思ったからです。
取得前後での変化
看護師として思考過程を改めて学ぶことで、患者様に起きている問題に今まで気付くことが出来なかったことが、気付けるようになってきたように思います。
認定看護師の知識を活かせたエピソード
「食べること」は生きるために必要な人間の基本的欲求や動作があって出来ることです。診療の補助や日常生活動作の援助を行う看護師は勿論のこと、身体機能の維持向上についての専門であるリハビリ科のスタッフや食事を提供してくれる栄養科の皆さんと一つの食事について「あーでもない、こーでもない」と相談して安全な食事が提供出来ていることです。
看護学生へのメッセージ
食べることは生(活)きることにつながります。そんな視点を持って看護することは楽しいですよ!
緩和ケア認定看護師
認定看護師を取得した理由
私は急性期を兼ねた外科の一般病棟で、診断期から治療期の段階を経て、再発・終末期に至る患者様とご家族に携わってきました。患者様やご家族にとって、質の高い看護を提供していきたい。その思いから、一般病棟でできる緩和ケアについて、スタッフと共有しながら、深く関わりたいと考えました。そこで、根本から緩和ケアについての学びを深めたいと思ったことが、認定看護師を目指した理由です。
取得前後での変化
緩和ケア認定看護師になり、最も変化したのは「価値観」です。私は、自分の思いや考えに焦点をあてた関わりをしてしまう傾向がありました。看護師は表に立つだけの存在でなく、その人らしく生きることを支えていく為に、黒衣的存在に撤することが大切であることを学びました。また、教育に関しても、以前はこちらから一方的に伝える教え方だったのですが、今はスタッフと共有し合いながら検討を重ねていくことができるようになりました。
認定看護師の知識を活かせたエピソード
緩和ケアは、がんと診断された時期からケアの介入が必要とされています。診断期から治療期の段階を経て、再発・終末期に携わる一般病棟だからこそ、緩和ケアの提供が求められていると考えます。また、現在がん患者様のほとんどは一般病棟で最後を迎えていることから、一般病棟での緩和ケアの実践が重要な意味を持つと考えます。スタッフは日々、「患者様やご家族の苦痛症状に対し、どう関わっていったら良いのか」「自分達の行なっているケアで良いのだろうか」といった悩みを抱えています。私達にできる緩和ケアを模索しながらではありますが、「最後まで新川橋病院で看て貰いたい」とおっしゃって下さる患者様やご家族の意向に少しでも寄り添えるよう、医師・看護師・薬剤師・地域医療連携部等の多職種が連携し合い、チーム一丸となって取り組んでいます。
看護学生へのメッセージ
当看護部は、地域の中核病院として、地域の皆様に質の高い医療と信頼される看護を基本理念に、その人にとってのケアが提供できるよう日々取り組んでいます。これからもスタッフ全員で力を合わせ、患者様やご家族が「新川橋病院に来て良かった」と、感じて頂ける病院づくりを目指していきたいと考えています。
糖尿病看護認定看護師
認定看護師を取得した理由
日本糖尿病療養指導士を取得し、外来で療養指導を担当していましたが、自分が行っている療養支援は適切なのかという疑問を感じていました。また、糖尿病ケアサポート委員会の活動を通して、委員会活動を活性化するために、自分に何かできることがないかと考えていました。より質の高い糖尿病療養支援の提供のために、自らスキルアップが必要なのではないかと思い、認定看護師に挑戦しました。
取得前後での変化
取得前は、糖尿病療養がうまくいってほしいという思いから、良いと思う色々な情報を患者様に伝えていました。
取得後は、患者様の生活背景を知り、共に糖尿病療養について考えて行くこと。患者様の大事にしていること、糖尿病への思いを大切にし、日常生活の質を維持しながら糖尿病療養できるよう支援していきたいという思いに変わりました。
認定看護師の知識を活かせたエピソード
フットケア外来で担当している下肢切断歴のある患者様が、小さな傷を作ってこられた時に、「自分は傷があっても気付かないよね。眼も見えにくいし、しょうがないね。」と話された事がありました。患者様は毎日、下肢を清潔に保つこと、血糖値を悪くしないように努力しており、「(奥様と)一緒に朝、散歩してるんだ。足が悪くなったら一緒に歩けなくなっちゃうから悪くならないようにしないとね。足、大事だよね。」という足への思いを聴きました。足の観察の仕方、普段の生活の中で注意することを一緒に考え、ご家族にも協力をお願いしました。現在も傷を作らない様、ケアを継続し、日課の散歩をしています。患者様の足への思いを聴く事ができ、関われたことが、取得して良かったと感じました。
看護学生へのメッセージ
糖尿病治療は、患者様の生活に合わせた療養方法を選択していくこと、治療継続するためのサポート、長期間に渡る支援をきめ細やかにしていきます。
糖尿病看護は、患者様の思いを大切にしながら、身体的、社会的、そして精神的にも健やかで、その人らしい生活を送るためのケアをしていきます。ぜひ、一緒に頑張りましょう!
慢性心不全看護認定看護師
認定看護師を取得した理由
内科系(慢性高齢者の多い、どちらかといえばゆったり)病棟に突如循環器内科も加わった混合病棟となり、毎日心臓血管カテーテルが行われる急性期病棟になりました。治療が終わった後の患者様への日常生活等の指導の必要性を感じつつも、自分の知識不足を実感しました。自己学習の限界を感じていたところ、「慢性心不全看護認定看護師」があることを知り、看護師人生20年以上 経っていましたが学び直しの機会をいただきました。
取得前後での変化
心不全は服薬や塩分制限など自己管理が必要な疾患です。原因が一つではなく、年齢や個々の背景を踏まえた看護をしなければなりません。心不全ステージに照らし合わせ患者に必要な事柄を考えることができ、押しつけるのではなく、患者様や医療者チームと一緒に目標設定できるようになったと思います。また、行動変容ステージに基づき考えられるようになり、患者様への指導に「今回はここまでが目標」と患者様を主体に考えられるようになりました。
認定看護師の知識を活かせたエピソード
心不全はあらゆる疾患の終末像であり、寛解と憎悪を繰り返し、終末期を迎えます。入退院を繰り返すことも多く、その分患者様、ご家族様との関わりも多くなります。ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の考え方に基づき「そのひとらしさ」を大切にご家族様への関わりも大切にしていきたいと思っています。
心不全終末期患者様で「家に帰りたい」という方がいました。今までは「もう帰れない」とあきらめていましたが、チーム一丸となって、患者様の希望に添えるよう訪問看護や訪問診療、ご家族様との話し合いを行い、自宅で安らかに最期を迎えられました。
最期を迎えた時、「家に帰れて良かった」「最期は病院で良かった」どちらであっても「よかった」と思える様に関わっていきたいと感じたエピソードです。
看護学生へのメッセージ
毎日が勉強。毎日が反省。毎日が発見。